先日の朝刊で、“武道はスポーツですか”というテーマの記事を読みました。
女性剣道家(七段)の意見を一部抜粋してみました。
『剣道にはスポーツと武道の両面があると感じます。心技体を鍛え、努力をし、勝てば達成感がある。スポーツと同じです。五輪で、勝利を納めて喜びを爆発させる選手たちを目にします。その気持ちはわかりますが、負けた相手の心情も考え、感情を抑えるのが武道だと思います。
私は優勝してもガッツポーズはしたいと思いませんでした。
剣道では、ガッツポーズをしたら一本が取り消されますが、それ以上に勝っても「めざす剣道にまだ到達していない」と再確認するからです。
一本にするには、技だけでなく、充実した気勢や残心が必要とされます。
心を残すことです。次の備えをして、気をつなぐ。それがガッツポーズ禁止にも繋がります。わかりにくい規定と言われるのも理解できますが、竹刀が打突部位に当たればよしというルールにしたなら、それは剣道ではなくなってしまいます。
海外で剣道を指導すると、外国人の人ほどこの武道の精神性を重視していると感じます。』
女性初の八段を目指している剣道家です。
居合道の試合でもガッツポーズをして、勝ちを取り消された事例があると聞いたことが思い出されます。
居合道では、試合が終わった後、正面に向かい合って着座し、刀を右に置き、互いに礼をします。礼に始まり礼に終わる、武道の魅力的な所作です。
日常生活で、常に相手の心情を考えることありますか?
残心という精神性に接することがありますか?
礼を重んじる所作を心がけていますか?
武道を通じて、自分を変えることに挑戦してみましょう。
MLBレギュラーシーズン最終戦が終わり、ドジャース大谷選手の活躍が驚異的でした。
「宮本武蔵は二刀流」というのは昔話、昭和世代でも「二刀流といえば大谷翔平」と答えるのが今の時代です。
大刀を右手、小刀を左手に持つ二刀流剣術を確立した宮本武蔵。
今年はバッターに専任したことで、“大谷翔平の一刀流”と言われていますが、50−50は、バッターとしての二刀流(パワーとスピード)であり、来年はピッチングも加えると三刀流になってしまうとも言えます。
ダルビッシュ選手が『皆さん、大谷選手もホームランの飛距離がすごいとか、ピッチャーもやるなんてすごい能力だと言いますが、“裏”を知らない。トレーニングや食生活等の裏の努力を見て驚きます。たとえその裏を知っても、誰もそれを同じようにはしないし、できない。大谷の裏の努力は凄まじい』と言っています。
宮本武蔵、大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太、時代や分野を超えての超一流人物は、体・心・技を鍛える弛まぬ努力、自己実現への強い探究心、人格・品格に優れた人間力を持っています。
“サムライ”という表現が昨今安っぽく使われますが、超一流人の言動は、“真の侍”であり、武士道を学ぶ良いお手本にしたいものです。
居合道を経験することで、少しその侍世界観に浸りませんか?
2023年末に上映された北野武監督の「首」が、ネットでも公開されました。
戦場での斬り合い、斬首、切腹シーンは生々しく、表現レベルはかなり高い作品です。
反面、有能な武将達の立ち振る舞い、会話のやり取りは、軽薄で軽く、まるでコント。
現実に近かっただろうと思える残忍なシーンとのそのアンバランスがしだいに笑いを誘います。
大河ドラマ等で描いてきた立派な武士や戦国時代を、『狂った世界』だと一喝し、嘲笑い、その象徴に『首』を用いたメッセージ、意外にも面白いです。
さて、戦国時代の武器は鉄砲、弓矢、槍、刀ですが、刀で斬り合う間合い(相手との距離)はかなり接近戦で怖いと感じることが、居合道の稽古での試し切りなどで実感できます。
そんな実感を持って時代劇を観ると、一般の方々には理解できない、気がつかない数々のシーンが目に止まります。
厳しかった武士道の世界を実感することのできる居合道を始めてみませんか。
(NEWS)
8月25日の居合道夏季審査会にて、下記会員が昇段することができました。
初段:6名、三段:2名、四段:1名、五段:1名
(NEWS)
春風会のイメージキャラクターは、可愛いらしい春姫と風千代です、トップページにも数々登場しています。アニメ調のスタイリッシュなイメージになってもらいました。
パリオリンピックが開幕し、早くも各国選手の活躍ニュースが入り始めています。
さて、NHKで毎週水曜日「明鏡止水」という番組が放送されていました(7月末で終了)。
【武の五輪】というサブタイトルは、オリンピックの五輪と宮本武蔵の五輪書を意図していたのだと思います。
毎週のテーマから、スポーツや武道に共通する理論を紹介する内容なのですが、オリンピックの各種競技の見方も随分変わってきます。
柔道、空手道はもちろん武道そのものですが、アーチェリー、ボクシング、レスリング、フェンシング、ボルダリング、やり投げ、馬術なども武道の理論に共通する技術が取り込まれているということを紹介しています。
無駄な力を入れない、軸をぶらさない、自然体の動き、呼吸法、重心の置き方等々は、まさに居合道の稽古で習得するべき課題にもなっています。
オリンピックは、一流アスリートの技を見極める絶好の機会です。
阿部詩選手が2回戦で敗れてしまいましたが、相手のウズベキスタン選手は、勝っても喜ぶ様子を見せず、粛々としていました。相手を尊敬するその所作は、武道にある精神をしっかりと身につけていました。
金メダルを取った、逃した、いくつ取ったなどのメディアのニュースに翻弄されることなく、技だけでなく、世界のアスリート達の所作にも目をむけてみませんか。
春風会は昭和44年に設立された、会員数も多い大阪府剣道連盟所属の居合道の会です。
設立された初代会長は、元全日本剣道連盟居合道委員長・範士九段 福田一男 先生です。
会員数は、2023年12月末時点で、39名(男性:31名・女性:8名)です。
2023年12月末撮影歴代会長
ごあいさつ
春風会会長の宮本です定例稽古
春風会キャラクター
主なイベント予定