
春季昇段審査会(3/9)が開催される3月に入りました。
審査前は、稽古にも気合いが入り、飛躍的に上達をする期間になります。
道場は審査受けるメンバーの熱気で溢れています。
さて、今月のテーマですが、政治家や企業のトップがお詫びしたり、しらばくれるシーンを目の当たりにする昨今です。
昭和世代としては、この儀式的な謝罪の様子見ていると、ついつい水戸黄門のT V番組を思い出してしまいます。(お昼に再放送していますね)
すでに引退した副将軍という職位にもかかわらず、全ての人間を平身低頭させますから、徳川家の権力には驚きを隠せません。
その水戸黄門の、「スケさんカクさん、懲らしめてやりなさい」の一言で斬り合いが始まり、「もういいでしょう」の二言目で終わりを宣言、そして、「恐れ多くも・・・この紋所が目に入らぬか・・・一同の者頭が高い・・・控えおろう!」と同時に御老公の印籠が全面公開され、戦っていた全員が驚愕、一斉にひれ伏し、悪事をはたく者でさえ土下座します。
この行為、最初から印籠を見せて正体を明かせておけば、多くの怪我人も出ないと思うのですが、現代なら完全なパワハラ行為になります。しかしながら、こんな印籠が現代に存在するならば、誠心誠意の謝罪をすること間違いなしです。
ところで、この懲らしめの立ち回り(殺陣)についての考察です。
スケさん、カクさん共に、刀の向きを変えて、峰側(刀の背中)を相手に向けて、打ち込みます。(峰打ちと言って、斬りません)
この峰打ち立ち回りシーンを観て、筆者はいつもこんなことを考えてしまいます。
・斬らないからいいというわけでなく、峰打ちでも、骨折に収まらず骨も砕く大怪我をさせているはず
・相手は刃を向けて斬りにくる、自分の刀の刃はじぶんを向いている、これはかなり怖いはず
・刀の反りが逆になるとバランスが悪くなり、刀は上手く振り切れないはず
居合道で刀を振った経験ある人は、理解、実感できると思います。
時代劇映画を観ていると、ストーリー以外に柄の握り方、納刀(鞘に刀を納める)の仕方、所作等々色々なシーンに目が向いてしまう能力が芽生えてきます。
横道にそれますが、真田広之さんが監督した『SYOGUN』は、当時のままの立ち振る舞いの時代考証されたことが評価されています。役者として熟知たるものを長年感じられていたのでしょう。
左腰に帯刀し、居合道の世界に挑戦しましょう、見えてなかったものが見えるようになりますし、自分自身の立ち振る舞いも変わって行きます。
是非、春風会にお越しください。侍の礼儀作含めてお手伝いします。
おまけに二つの『ありえなーい!』の紹介です
・水戸黄門の随行メンバーである風車の弥七(忍び)、紅お銀(くの一)は、逆手に持った短刀(鍔もない)で長刀と対等にやり合います。これは超危険、ありえませーん!
・黄門様は、持っている杖で、真剣を受け止めていますが、あんな硬い木の杖ってありえませーん。刀は、木を切ります!
居合道をする目的は、人それぞれ自由。
先日の朝刊で、“武道はスポーツですか”というテーマの記事を読みました。
女性剣道家(七段)の意見を一部抜粋してみました。
『剣道にはスポーツと武道の両面があると感じます。心技体を鍛え、努力をし、勝てば達成感がある。スポーツと同じです。五輪で、勝利を納めて喜びを爆発させる選手たちを目にします。その気持ちはわかりますが、負けた相手の心情も考え、感情を抑えるのが武道だと思います。
私は優勝してもガッツポーズはしたいと思いませんでした。
剣道では、ガッツポーズをしたら一本が取り消されますが、それ以上に勝っても「めざす剣道にまだ到達していない」と再確認するからです。
一本にするには、技だけでなく、充実した気勢や残心が必要とされます。
心を残すことです。次の備えをして、気をつなぐ。それがガッツポーズ禁止にも繋がります。わかりにくい規定と言われるのも理解できますが、竹刀が打突部位に当たればよしというルールにしたなら、それは剣道ではなくなってしまいます。
海外で剣道を指導すると、外国人の人ほどこの武道の精神性を重視していると感じます。』
MLBレギュラーシーズン最終戦が終わり、ドジャース大谷選手の活躍が驚異的でした。
「宮本武蔵は二刀流」というのは昔話、昭和世代でも「二刀流といえば大谷翔平」と答えるのが今の時代です。
大刀を右手、小刀を左手に持つ二刀流剣術を確立した宮本武蔵。
今年はバッターに専任したことで、“大谷翔平の一刀流”と言われていますが、50−50は、バッターとしての二刀流(パワーとスピード)であり、来年はピッチングも加えると三刀流になってしまうとも言えます。
ダルビッシュ選手が『皆さん、大谷選手もホームランの飛距離がすごいとか、ピッチャーもやるなんてすごい能力だと言いますが、“裏”を知らない。トレーニングや食生活等の裏の努力を見て驚きます。たとえその裏を知っても、誰もそれを同じようにはしないし、できない。大谷の裏の努力は凄まじい』と言っています。
宮本武蔵、大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太、時代や分野を超えての超一流人物は、体・心・技を鍛える弛まぬ努力、自己実現への強い探究心、人格・品格に優れた人間力を持っています。
“サムライ”という表現が昨今安っぽく使われますが、超一流人の言動は、“真の侍”であり、武士道を学ぶ良いお手本にしたいものです。
居合道を経験することで、少しその侍世界観に浸りませんか?
2023年末に上映された北野武監督の「首」が、ネットでも公開されました。
戦場での斬り合い、斬首、切腹シーンは生々しく、表現レベルはかなり高い作品です。
反面、有能な武将達の立ち振る舞い、会話のやり取りは、軽薄で軽く、まるでコント。
現実に近かっただろうと思える残忍なシーンとのそのアンバランスがしだいに笑いを誘います。
大河ドラマ等で描いてきた立派な武士や戦国時代を、『狂った世界』だと一喝し、嘲笑い、その象徴に『首』を用いたメッセージ、意外にも面白いです。
さて、戦国時代の武器は鉄砲、弓矢、槍、刀ですが、刀で斬り合う間合い(相手との距離)はかなり接近戦で怖いと感じることが、居合道の稽古での試し切りなどで実感できます。
そんな実感を持って時代劇を観ると、一般の方々には理解できない、気がつかない数々のシーンが目に止まります。
厳しかった武士道の世界を実感することのできる居合道を始めてみませんか。
(NEWS)
8月25日の居合道夏季審査会にて、下記会員が昇段することができました。
初段:6名、三段:2名、四段:1名、五段:1名
(NEWS)
春風会のイメージキャラクターは、可愛いらしい春姫と風千代です、トップページにも数々登場しています。アニメ調のスタイリッシュなイメージになってもらいました。
パリオリンピックが開幕し、早くも各国選手の活躍ニュースが入り始めています。
さて、NHKで毎週水曜日「明鏡止水」という番組が放送されていました(7月末で終了)。
【武の五輪】というサブタイトルは、オリンピックの五輪と宮本武蔵の五輪書を意図していたのだと思います。
毎週のテーマから、スポーツや武道に共通する理論を紹介する内容なのですが、オリンピックの各種競技の見方も随分変わってきます。
柔道、空手道はもちろん武道そのものですが、アーチェリー、ボクシング、レスリング、フェンシング、ボルダリング、やり投げ、馬術なども武道の理論に共通する技術が取り込まれているということを紹介しています。
無駄な力を入れない、軸をぶらさない、自然体の動き、呼吸法、重心の置き方等々は、まさに居合道の稽古で習得するべき課題にもなっています。
オリンピックは、一流アスリートの技を見極める絶好の機会です。
阿部詩選手が2回戦で敗れてしまいましたが、相手のウズベキスタン選手は、勝っても喜ぶ様子を見せず、粛々としていました。相手を尊敬するその所作は、武道にある精神をしっかりと身につけていました。
金メダルを取った、逃した、いくつ取ったなどのメディアのニュースに翻弄されることなく、技だけでなく、世界のアスリート達の所作にも目をむけてみませんか。
春風会は昭和44年に設立された、会員数も多い大阪府剣道連盟所属の居合道の会です。
設立された初代会長は、元全日本剣道連盟居合道委員長・範士九段 福田一男 先生です。
会員数は、2024年12月末時点で、52名(男性:39名・女性:13名)です。
歴代会長
ごあいさつ
春風会会長の宮本です定例稽古
春風会キャラクター
主なイベント予定